セレウス菌の症状とはどういったものか、感染経路や予防法は

セレウス菌食中毒の発生事例

集団感染は、まれにニュースなどで報道されることがあり、世間をにぎわせています。セレウス菌による集団感染も日本で発生したケースがあり、ニュースとなりました。具体的にどのようなものだったのでしょうか。

どのように発生するか

×印を持った看護師ポピュラーなものとしては、高知でおこったセレウス菌による食中毒があげられます。20代から60代と幅広い年齢の利用客7人が、寮の食事を食べて嘔吐や下痢をひきおこした事件です。調理後の食事でも毒素がのこっているというセレウス菌感染の特徴をよくあらわしたケースといえるでしょう。保健所からは、長時間の作りおきは避けるなどの指導が入っています。





有名なのは、国立がんセンターにおける院内発生の事例です。2013年に同病院内で入院患者さん13人がセレウス菌に感染し、うち2人が死亡したものです。このケースでは、食品ではなくシーツや枕、タオルといった生活用品からの感染ではないかといわれています。入院患者さんの多くは一般の人よりも免疫力が低下していることがほとんどです。また、舞台が国立がんセンターであったということもあり、とりわけ抗がん剤治療などで免疫力が大きく低下している人がほとんどといえるでしょう。このため、普段ではかからないような肌に触れる日常用品からの感染を許してしまったと考えられています。

2000年に起こった雪印集団食中毒発生は、記憶に新しいでしょう。この食中毒の主役は黄色ブドウ球菌という細菌でしたが、同じ工程の機械や配管などから、セレウス菌も検出されており、セレウス菌の感染も疑われる結果となっています。2つの菌はそれぞれ食中毒の原因菌として類似した症状を示すこともあり、名前こそマイナーですが身近な事件の一例といえるでしょう。

WS000043このように、私たちの生活区域、または病院において、セレウス菌の感染および食中毒というのは珍しいことではなくなってきています。もともとが常在菌ということもあり、発生環境としても日常の台所や食事といったイベントが含まれているのは怖いことです。少しでも知識を持っておくだけで、普段の何気ない行動にも応用できるようになりますから、正しい情報というのは欠かせません。

まとめ

セレウス菌が特別なものでなく、誰にでも起こりうることがよく理解できたのではないでしょうか。
特に夏場に発生する傾向が強いことも含め、対応していきたいものですね。