セレウス菌の症状とはどういったものか、感染経路や予防法は

セレウス菌はどうやって感染する?

余り知られていませんが、セレウス菌という細菌が食中毒を起こすことで知られています。では、具体的にどのように感染していくのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

感染経路

生肉セレウス菌は主に食物の中に生息しています。もともと嫌気性細菌といって酸素のある空気にふれることを嫌うセレウス菌は、こうした食物の中に入り込んで自分自身を増殖させていきます。セレウス菌に大量に汚染された食物を摂取することが、直接の感染経路ということができます。セレウス菌の毒素には嘔吐型と下痢型という2つの型が存在しますが、それぞれによって、感染する食品が若干ことなります。下痢型毒素が多く発生するのは、肉や魚、野菜といった生ものがほとんどです。こちらは通常の食中毒と同じく十分に加熱しないために、毒素が蔓延した食物が腸に達すると、そこから影響が出始めます。一方で、嘔吐型毒素の増殖はご飯やスパゲティなどの炭水化物に多く見られています。中でも、この嘔吐型毒素は熱に強いことが知られており、火を通した焼き飯などでも残存しているため、注意が必要です。

 

人から人への感染

セレウス菌に一度感染してしまった場合、その影響はどのようなものでしょうか。一般的にセレウス菌は食物に感染し、そこで毒素を増殖させます。毒素は経口で摂取された後、その摂取した人の身体に直接攻撃をしますが、咳や痰に混じって空気中に細菌が飛ぶということはありません。したがって、基本的には人から人への感染はありません。しかし、衛生状態のきわめて悪い場所では、糞口感染といって、セレウス菌に感染した人の便などが粒子となってそれを吸引することで感染する場合もあります。ただ一定量を吸引しないと感染は難しいですから、ほとんどが食物からと考えてよいでしょう。

院内感染

病院多くの重症患者さんが入院する病院では、たいていの人が一般の人よりも免疫力が落ちている状態で生活、療養をしています。こうした環境下では、日和見感染といって、通常であればなんともないレベルの菌や毒素の量でも、簡単に感染してしまうことがあります。それこそ、入院している病棟では、患者さんは寝るのも食事を食べるのもすべてベッドの上。動けない人だと、ベッド上で排泄をする人もいます。こうしたことから、シーツやタオルといった日常生活用品にセレウス菌が感染し、そこから体内に入り込んでしまうケースがあります。

まとめ

とりわけ免疫力がおちていたり、といった特殊な環境でない限りは、主に食物に気をつければよいことがわかりますね。熱に強い毒素をつくりますから、日ごろの清潔行動や新鮮でない食材には注意していきましょう。