セレウス菌の症状とはどういったものか、感染経路や予防法は

セレウス菌食中毒の治療法

セレウス菌の食中毒は、症状が現れる期間は短いものの、他の常在菌と比較してもしつこいものです。では、具体的にセレウス菌食中毒となった場合、どのようにして治療を行っていくのでしょうか。

検査方法

飲食した食物がセレウス菌に感染しているかどうかは、確立された細菌培養検査によって判明します。食物を25gとり生理食塩水によって10倍に希釈したものを、専用寒天培地で塗布し、32度で48時間培養していきます。その後、細菌の有無を見やすくするためグラム染色を行い、pH5.7の環境で発育が陽性であった場合、晴れてセレウス菌由来の食中毒と断定されます。もちろん、自宅での培養は難しいため、医療機関などで実施されます。食中毒に限らず原因となる菌のことを起因菌と呼びますが、これを同定することで、薬物治療の有効性や対処が異なってくるため、重要な検査といえますね。

感染した場合の治療法

セレウス菌由来の食中毒は、自然治癒が基本となります。これは、セレウス菌に感染した後実際に症状の出る発症期間が短いこと、そして人から人への感染が見られないことが理由です。後は嘔吐や下痢、腹痛といった辛い症状に対し、それぞれ口の中をさっぱりさせたり、安静にして休息をとったりと対症療法が基本となってくるでしょう。しかし、あまりにも症状がひどい場合には手を打たなくてはいけません。菌の薬剤感受性を調べた上で、効果のあるバンコマイシンやエリスロマイシン、クリンダマイシンなどの抗生物質が使用されることが多いようです。また、下痢や嘔吐が激しい場合には、整腸剤や制吐剤も効果的に頓服として使用されます。

かかる金額

財布とお金一般的には自然治癒なので、治療費というのはかかりません。もし症状がひどく医療機関などで治療を受けた場合には、受ける検査や使用する薬剤、また入院の有無などにより費用が異なってきます。一般的には、検体の検査や起因菌同定には少なくともそれぞれ数千円必要なことが多いでしょう。また抗生物質の点滴も一瓶千円ほどですが、各種医療処置が点数として加算されますので、一万円はかからなくともそこそこの金額が考えられます。入院となった場合には、ベッド代が加算されますから、一気に数万円単位で跳ね上がることが予想できますね。




家庭での注意事項

手洗いせっかく療養しているのに、余計に悪くなってしまっては元も子もありません。自宅では、部屋の中を清潔に保ち、必ず手洗いうがいはかかさないようにしましょう。セレウス菌はアルコールが効果が出にくいですが、次亜塩素酸ナトリウムはとてもよく効きます。薬局などで薬剤入りの消毒薬が売っていますので、一度食器などは次亜塩素酸ナトリウムで消毒するのがよいでしょう。日々の食事は新鮮な食材を使用し、一回で食べきるよう心がけましょう。嘔吐や下痢が激しい場合は、水分が失われがちです。しっかりと水分補給をし、食べやすいヨーグルトや経口ゼリーなどで少しでも栄養を摂取しましょう。

どれくらいで回復するか

一般的にセレウス菌食中毒は長くても1日~2日で症状が改善するものがほとんどです。自宅で安静にして、症状が治まるのを待ちましょう。症状が引いた後でも、まだ体にはダメージが残っていますから、無理をせず余裕のある生活を心がけることが大切です。おかゆや野菜など消化がよく栄養のあるものを摂取し、体力と免疫力の回復に努めましょう。2日たっても症状が治まらない場合は、2次感染の可能性もありますから、病院にかかるのも手です。

まとめ

比較的症状の期間が短いので、対処もしやすいですね。特に再度食中毒を起こさないように清潔をこころがけ、無理せず休んで直していきましょう。