セレウス菌の症状とはどういったものか、感染経路や予防法は

セレウス菌感染の予防と対策方法

食中毒の原因のひとつとして、セレウス菌によるものがあげられます。しかし、実際のところセレウス菌ときいても、一般的にはあまりその存在がしられていないのも現実です。ここでは、セレウス菌について詳しくご紹介していきます。

セレウス菌は加熱に弱いか

食中毒を予防するのにしっかりと火を通したり、煮沸消毒で対応するのは定番です。しかし、残念ながらセレウス菌は熱に強い側面を持っています。もっと正確に表現するのであれば、セレウス菌の一部は熱に強い特性を持っている、といったほうがよいでしょう。セレウス菌には大きく分けて嘔吐型・下痢型の2種類が存在し、それぞれ特性が異なります。下痢型の毒素は比較的熱で壊れやすい毒素ですので、熱処理をしっかりすることで防ぐことができます。しかし一方で、嘔吐型の毒素は熱に強いことが特徴です。日本におけるセレウス菌食中毒としては、ほとんどが嘔吐型であることが解っています。このため、念のため熱処理をするに越した事はありませんが、嘔吐型のセレウス菌感染には効果が薄いといわざるを得ません。

何度で死滅するか

温度計具体的に、セレウス菌は何度で死滅するのでしょうか。セレウス菌感染には嘔吐型と下痢型が存在しますが、それぞれのタイプによって菌の死滅する温度が異なります。下痢型は比較的低温で死滅することがわかっており、研究によるとその温度は約50度強とされています。毒素のたんぱく質が変性して失活するため、加熱は効果的ですね。一方で嘔吐型の感染では、構造が非常に安定しておりきわめて熱に強いのが特徴です。100度の熱で30分間、120度で15分間耐久できるという報告があります。その分、低温では活動が低下することがわかっており、しっかりと冷蔵して管理することが求められます。





保存するときの注意(低温保存)

日本でのセレウス菌感染はほとんどが嘔吐型です。このため、非常に熱に強いという特徴があり、安易に火を通したからといって安心できません。注意すべきなのは、保存するときにしっかりと冷蔵して対処することです。具体的には、4度以下の環境でセレウス菌の活動が低下することがわかっているため、冷蔵庫を活用しましょう。冷蔵庫内の温度は通常3-6度あたりが多いですが、温度を調整できるものについては確実に4度以下にさげ、難しいものについてはチルド室などを活用してもよいかもしれません。

感染予防グッズ

セレウス菌を撃退するためには、どのようなグッズが有効なのでしょうか。ひとつは抗菌マットを有効活用することです。今日多くのメーカーから抗菌マットが発売されており、これで保護しておくことにより、可能な限り菌の付着を抑えることができるでしょう。セレウス菌対策を明記しているものもありますから、使わないよりはつかったほうがいくらか効果的であるかもしれません。最も効果があるものは、次亜塩素酸ナトリウムを使用することです。セレウス菌は私たちがよく使用するアルコール消毒にも強い性質を持っていますが、アルコールがきかない物質のうち多くは次亜塩素酸ナトリウムという物質で除去できます。セレウス菌もこのタイプの菌であり、多くの店でも取り扱っているようになりましたから、ぜひ活用してみましょう。

免疫力・腸を強くする

免疫力のある人セレウス菌の感染から身体を守るためにもっとも重要なことは、自らの免疫力を上げる努力をすることです。どんなに抗菌対策や消毒を行っても、自分自身の身体が弱ければなんの意味もありません。早寝早起きや3食の食事、適度な運動を心がけ、規則正しい生活を心がけましょう。なんということはありませんが、こうした日々の生活の積み重ねがもっとも免疫力を高め、セレウス菌に限らずさまざまな菌の感染を防いでくれます。

まとめ

それぞれの菌のタイプを正確に判断した上で、対策を検討する必要がありますね。ぜひ参考にしてみてください。